このブログでも協会からきょうかいだよりで重大労災事故が報告されるとそれを掲載していますが、セキュリティータイムで労災事故防止に関する記事があったので、紹介を兼ねて記事にしたいと思います。
警備業界の労災事故ゼロを目指した様々な取り組みがありますが、労災事故は一向に減少していないのが現状です。
きょうかいだよりの「重大労災事故速報」も単に情報として目を通すのではなく、具体的に分析・考察が大事になるという事です。
そうした観点から労災事故ゼロを目指したセミナーが各県協会の協力のもと開かれている。
死亡・重症の労災事故被災者の過半数以上が検定合格者であるという。
交通誘導警備員の仕事が危険と隣り合わせなことは事実としても、その検定合格者が被災しているという事実は見逃せない。
セキュリティータイムズの記事によれば、検定合格者の警備員は全体の15%程度ではないかとの試算がある。
その多いとは言えない検定合格者がなぜ重大労災事故に巻き込まれているのかという要因を二つ挙げている。
一つ、そもそも検定合格者は一般の警備員より危険な配置にあるという事。交通誘導警備員の場合は、各都道府県の配置基準に基づき検定合格者を配置することになっているが、その基準は、交通量が多く、死亡事故率の高い道路であったりするため、事故にあう潜在的なリスクは高いと言わざるえない。
一つ、緊張感の変化。検定合格者は、現場においてはリーダーとしてのポジションを求められるようになり、現場全体を見渡し把握する必要が出てくる。そうなると今まで以上の高い緊張を強いられることになり、それが、精神的な疲労となり、注意力・集中力の低下につながるという。
二つ目は推察の域を出ないというが納得できるものだし、データを取れば証明されることもあるかと思う。
個人的にはこれに、検定合格者に限らず、経験による油断があると思う。経験を重ねる間に大丈夫という楽観的な考えがどこかに住み着いてしまうのだ。
それではダメだと意識しなければならない。
そして、事例による解説が詳細に載っているが、このなかで高齢警備員対策とヒューマンエラー対策というものが気になった。
実際、高齢の警備員という人は意外と多いと思う。定年退職後、早期退職後に面接に来られる方は多い。
そうした方々は、新しいことを覚えるのに時間がかかることが多い。
とはいえ、できないわけではないのです。
介護の勉強で学んだことですが、加齢が進むと、耳も聞き取りやすい音があるといいます。低音でゆっくりと話す。これがもっとも聞き取りやすいと。
介護ではないので、そこまでしなくともいいのですが、説明するときにはっきりと、低めの声で話す事を心がけるだけでも違うこともあると思うのです。
ヒューマンエラーとはいわゆるうっかりミスともいえるような事で、人間の誤動作です。押し間違い見間違いなど。
これは、老若男女起きる現象です。
そして、完全になくすことは出来ないであろう事です。
故に対策として、指差し、声だし確認を行ったり、他社と確認しあったりするわけです。
これを毎日の仕事の中で習慣化することで、熟練度は高まり、ヒューマンエラーの発生が減るのです。
訓練に勝るものなしなのかもしれません。
何度も反復することは大切なことといえるでしょう。
また、初めての業者との仕事であれば、その打ち合わせは徹底したものであるべきです。警備業務内容を熟知しているのか、していないのか?などいろいろな隙間を埋めて信頼関係を築く努力なしに安全な作業はないと思います。
また、信頼関係のある業者との間にも打ち合わせは大事で、馴れ合いやなあなあにならないように心がけることも大切だと思います。
労災事故ゼロ。
なかなか難しい課題ですが、極力ゼロに近づけるためには各社が各々努力し、教育する他ないのです。それでも事故が全くなくなることはないでしょう。
そして、教育と訓練の結果、万が一にも事故に遭遇した際に、自分の命を守れるかにつながるのだと思います。
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